白質脳症による高次脳機能障害で障害厚生年金2級が認定されたケース
相談者
- 性別:男性
- 年齢層:50代
- 職業:製造業・機械加工
- 傷病名:神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症
- 障害の状態:高次脳機能障害、認知機能低下、判断力低下、注意機能・遂行機能の低下
- 請求方法:事後重症請求
- 決定した年金の種類と等級:障害厚生年金2級
- 年間受給額:非公開
相談時の状況
相談者は、朝から「ふわふわする」「ぼーっとする」といった違和感があり、車の運転に不安を感じたことをきっかけに医療機関を受診されました。当初は脳梗塞の疑いもあり、複数の医療機関で検査やリハビリを受ける中で、認知機能の低下や高次脳機能障害が指摘されました。
その後、記憶、計算、注意、言語機能、遂行機能などに支障が見られるようになり、仕事や日常生活にも大きな影響が出ていました。特に、車で目的地にたどり着けない、行くべき場所を間違える、昼食を作っている途中で何をしているのか分からなくなるなど、生活上の困難が目立つ状態でした。
症状の進行により、これまで続けていた機械加工の仕事も継続が難しくなり、退職に至りました。現在は、食事の準備などを母親の援助で行い、要介護1の認定を受けて通所サービスや訪問リハビリを利用されています。ご本人は当初、年金事務所へ相談されましたが、障害年金申請の進め方や必要書類の詳細が分からず、当事務所へご依頼いただきました。
相談から請求までのサポート
今回のケースでは、傷病名が「神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症」という専門性の高い疾患であり、初診日以降の医療経過だけでなく、遺伝性疾患としての背景や、症状がどの時期からどのように生活へ影響してきたのかを丁寧に整理する必要がありました。
まず、相談者が保有していた医療情報を確認し、さらに最終的に受診していた医療機関の診療記録についても開示資料を確認しました。そのうえで、初診時の症状、各医療機関での検査・リハビリの経過、認知機能低下の指摘、遺伝子検査の流れ、就労への影響、退職に至った経緯を時系列で整理しました。
病歴・就労状況等申立書では、単に病名や通院歴を記載するだけでなく、日常生活で実際に起きていた困りごとを具体的に反映しました。たとえば、目的地にたどり着けない、買い物で必要な物を選べない、調理を途中でやめてしまう、予定や日付の把握が難しい、声かけがなければ行動の修正が難しいといった内容です。
また、障害年金の審査では、診断名だけでなく「日常生活や就労にどの程度の制限があるか」が重要になります。そのため、高次脳機能障害による判断力低下や注意機能の低下が、仕事の継続困難や家族の援助を必要とする生活状況につながっていることが伝わるよう、申立書全体を整えました。
結果
申請の結果、白質脳症による高次脳機能障害について、障害厚生年金2級が認定されました。
今回のように、遺伝性の疾患や高次脳機能障害が関係するケースでは、検査結果だけでは日常生活の困難さが伝わりにくいことがあります。特に、認知機能や判断力の低下は外見から分かりにくいため、医療記録、家族から見た生活状況、就労困難となった経緯を総合的に整理することが大切です。
障害厚生年金2級が認定されたことで、相談者は経済的な不安を軽減しながら、治療やリハビリ、日常生活の支援を受ける環境を整えやすくなりました。現在も家族や支援サービスの協力を受けながら、生活の安定を図られています。
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