両大腿骨頭壊死症で障害厚生年金3級を受給|ステロイド治療との因果関係を整理した事例

相談者

  • 性別:男性 
  • 年齢層:50代 
  • 職業:工場のライン作業 
  • 雇用形態:正社員 
  • 家族構成:妻と同居 
  • 傷病名:両大腿骨頭壊死症 
  • 請求方法:事後重症請求 
  • 決定した年金の種類と等級:障害厚生年金3級 

相談時の状況

相談者は、ホームページをご覧になり、障害年金について面談で相談するため当事務所へお越しになりました。

平成27年1月、発熱や関節痛、筋肉痛、呼吸困難などの症状が現れ、医療機関を受診しました。検査の結果、入院治療が必要と判断され、呼吸器疾患に対してステロイド薬による治療を受けました。

同年4月には、職場で重量物を持ち上げた際に腰を痛め、検査によって腰椎圧迫骨折が判明しました。その後、テロイド性骨粗鬆症して治療を受けています。

平成28年頃からは右股関節に痛みが現れ、次第に左膝や左股関節にも痛みが広がりました。平成29年1月、痛みが強くなったため整形外科を受診したところ、両大腿骨頭壊死症と診断されました。その後、左人工骨頭挿入術と右大腿骨の骨切り術を受け、長期間の入院とリハビリを行っています。

相談時も人工関節部分の痛みや違和感が残っていました。杖などの補助具は使用していませんでしたが、工場内の移動、家庭内での生活、買い物の際などに歩行の負担を感じており、長い距離を歩くと疲れやすい状態でした。

正社員として工場のライン作業を続けていましたが、重量物を持つことや運ぶことが難しく、担当できる業務に制限が生じていました。

相談から請求までのサポート

当初の聞き取りでは、両大腿骨頭壊死症と診断された平成29年1月の整形外科受診が、障害年金申請における初診日になる可能性があると考えられました。

しかし、治療経過を詳しく確認すると、平成27年1月に呼吸器疾患の治療でステロイド薬が使用され、その後にステロイド性骨粗鬆症や両大腿骨頭壊死症が発生していることが分かりました。

そこで、当時の医療機関から受診状況等証明書を取得し、呼吸器疾患の受診歴、ステロイド治療の内容、その後の整形外科での治療経過を確認しました。また、人工関節の手術や入院治療を行った整形外科から診断書を取得し、両大腿骨頭壊死症の状態とステロイド治療との関連が審査側に伝わるよう、医療記録を時系列に沿って整理しました。

病歴・就労状況等申立書には、呼吸器疾患の発症からステロイド治療、腰椎圧迫骨折、股関節痛の出現、両大腿骨頭壊死症の診断、人工関節手術、現在の就労状況までを一連の経過として記載しました。

さらに、勤務を継続しているという事実だけで判断されないよう、工場のライン作業において重量物を取り扱えないことや、歩行による疲労、人工関節部分の痛みや違和感など、仕事と日常生活で生じている具体的な支障を丁寧にまとめました。

これらの資料をもとに、平成27年1月の呼吸器疾患に関する受診日を初診日として整理し、障害厚生年金の事後重症請求を行いました。

結果

請求の結果、両大腿骨頭壊死症により障害厚生年金3級が認定されました。

相談者は正社員として工場のライン作業を継続していましたが、人工関節部分の痛みや違和感、歩行の困難さ、重量物を取り扱えないといった就労上の制限を抱えていました。今回の申請では、就労の有無だけではなく、実際の業務内容や身体への負担を具体的に伝えたことが重要なポイントとなりました。

また、両大腿骨頭壊死症と診断された整形外科の受診歴だけでなく、それ以前のステロイド治療まで遡って医療記録を確認したことで、初診日と傷病の経過を適切に整理することができた事例です。

この記事をお読みの方には「働いているから障害年金は難しい」と諦めていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。在職中であっても、仕事や日常生活に支障がある場合は、受給できる可能性があります。ご自身で判断せず、まずは現在の状況をお聞かせください。

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