右変形性膝関節症で障害厚生年金3級を取得、社会的治癒を丁寧に立証したケース
相談者
- 性別:男性
- 年齢:61歳
- 職業:建設業
- 傷病名:右変形性膝関節症
- 請求方法:事後重症請求
- 決定した年金の種類と等級:障害厚生年金3級
- 年間受給額:金額非公開
相談時の状況
相談者は、約37年前に県外の道路上で交通事故に遭い、大腿骨骨折と右膝の損傷を負いました。当時は長期間の入院治療を受けましたが、その後は右膝の痛みも落ち着き、長年にわたって通院の必要がない状態で過ごされていました。
その間、自営業として国民年金に加入していた期間もありましたが、厚生年金加入期間も長く、建設業に一貫して従事されていました。建築設備施工管理などの仕事を続け、就労や日常生活に大きな支障がない期間が長く続いていたことが大きな特徴でした。
その後、2回目の交通事故をきっかけに医療機関を受診した際、右膝の痛みについても医師に相談され、右変形性膝関節症として治療が進められました。最終的に右膝の人工関節置換術を受けることとなり、歩行の困難さや仕事への影響が大きくなったため、障害年金の申請について当事務所へご相談いただきました。
当初は、最初の事故から非常に長い年月が経過していたため、初診日の証明を取得することは困難ではないかと考えられる状況でした。
相談から請求までのサポート
今回のポイントは、約37年前の事故をそのまま初診日として考えるのではなく、その後長期間にわたって治療の必要がなく、自覚症状もなく、建設業で継続して働けていた事実をどのように整理するかでした。
ヒアリングを重ねたところ、最初の事故後、一定期間を経て右膝の症状は落ち着き、2回目の事故までの約33年間は通院もなく、日常生活や就労を継続できていたことが確認できました。そこで、障害年金の請求において重要となる「社会的治癒」の立証を検討しました。社会的治癒とは、過去に病気やけががあっても、その後長期間にわたり治療を要せず、通常の社会生活や就労ができていた場合に、後の受診日を初診日として整理できる可能性がある考え方です。
当事務所では、年金加入記録、報酬記録、職歴を丁寧に確認し、長期間にわたり建設業で就労を継続していたことを整理しました。特に、厚生年金加入期間中の就労状況や報酬の推移を確認し、単に「通院していなかった」というだけでなく、実際に社会生活を維持できていた事実が審査側に伝わるようにしました。
また、病歴・就労状況等申立書では、過去の事故から現在に至るまでの経過を時系列で整理し、治療を受けていなかった期間の理由、自覚症状の有無、建設業での勤務実態を具体的に記載しました。さらに、右膝人工関節置換術の内容や術後の歩行困難など、現在の障害状態が伝わるよう、診断書と申立書の整合性にも注意して請求書類を整えました。
結果
申請の結果、右変形性膝関節症により障害厚生年金3級が認定されました。請求方法は事後重症請求として認められ、相談者は障害厚生年金を受給できることになりました。
今回のケースでは、最初の事故から長い年月が経過しており、初診日の証明が大きな課題でした。しかし、約33年間にわたり治療の必要がなく、自覚症状もなく、建設業で継続して働いていた事実を丁寧に整理したことで、社会的治癒を前提とした申請につなげることができました。
右変形性膝関節症や人工膝関節で障害年金を検討する場合、初診日、年金加入状況、手術日、就労状況の整理が非常に重要です。特に、過去の事故や古い通院歴があるケースでは、単に古い初診日だけを見るのではなく、その後の生活状況や就労実態を確認することが大切です。
こちらの記事では初診日の要件・決まり方と証明方法についてまとめております。障害年金の手続きで始めに確認する必要がある、初診日についてわかりやすく解説していますので、是非参考にしてみてください。
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