くも膜下出血による肢体障害で障害基礎年金2級が認定、5年遡及で受給につながったケース
相談者
- 性別:男性
- 年齢層:60代
- 職業:自営業・飲食店経営
- 傷病名:前交通動脈瘤破裂によるくも膜下出血、脳梗塞
- 請求方法:障害認定日請求・5年遡及請求
- 決定した年金の種類と等級:障害基礎年金2級
- 受給内容:5年分の遡及支給が認められたケース
相談時の状況
相談者は、長年にわたり夫婦で居酒屋を経営してきた60代男性です。地域の方々に親しまれるお店として営業を続けていましたが、平成29年に前交通動脈瘤破裂によるくも膜下出血を発症しました。発症時には頭痛、両下肢麻痺、左上肢の不全麻痺があり、救急搬送後に緊急入院となりました。
その後、手術やリハビリテーションを経て、歩行器での歩行が可能な状態まで回復しましたが、両下肢の機能障害が残り、更衣、歩行、階段昇降、入浴動作には介助を要する状態が続いていました。平成30年には、くも膜下出血による両下肢機能障害として身体障害者手帳2級の交付も受けています。
発症後もリハビリを続けながら飲食店の経営を継続していましたが、令和6年に脳梗塞を発症。仕事中に左半身の脱力や構音障害が現れ、再び救急搬送されました。これにより身体的な負担がさらに大きくなり、長年続けてきた店舗を惜しまれながら閉店することになりました。
一度は別の専門家に障害年金の手続きを依頼したものの、請求方針の整理が十分に進まず、手続きが中断していました。そこで、改めて当事務所へ障害年金申請についてご相談いただきました。
相談から請求までのサポート
今回の請求では、くも膜下出血と脳梗塞という複数の脳血管疾患があるため、どの傷病を中心に障害年金を請求するかを慎重に検討しました。現在の状態だけでなく、平成29年のくも膜下出血発症後から継続していた肢体障害の経過を確認し、前発のくも膜下出血による障害について、障害認定日請求として5年遡及を目指す方針を立てました。
特に重要だったのは、初診日から6か月経過した時点の状態をどのように証明するかという点です。脳血管疾患による肢体障害では、症状固定の時期や障害認定日の判断が重要になりますが、初診日から6か月経過後の診断書が残っていない状況でした。
そこで当事務所では、当時作成されていた身体障害者手帳の意見書に着目しました。手帳の意見書には、くも膜下出血後の両下肢機能障害の状態が記載されていたため、その内容をもとに医師へ障害年金用診断書の作成を依頼しました。
また、病歴・就労状況等申立書では、平成29年の発症から手術、リハビリ、身体障害者手帳の取得、自己リハビリの継続、令和6年の脳梗塞発症、そして閉店に至るまでの流れを時系列で整理しました。単に病名を並べるのではなく、歩行や階段昇降、入浴動作など日常生活にどのような支障があったのか、飲食店経営を続けるうえでどのような困難があったのかが審査側に伝わるよう、具体的に記載しました。
結果
申請の結果、前発のくも膜下出血による肢体障害について障害基礎年金2級が認定され、5年分の遡及請求も認められました。
一度は手続きが中断していたケースでしたが、初診日、障害認定日、身体障害者手帳の意見書、現在までの病歴と生活状況を丁寧に整理したことで、障害の状態を適切に伝えることができました。
相談者は、長年続けてきた店舗を閉めざるを得ない状況となり、今後の生活資金に大きな不安を抱えていました。障害基礎年金2級と5年分の遡及支給が認められたことで、老齢年金の支給開始までの生活資金を確保でき、安心されたご様子でした。
本事例のように、複数の傷病が現在の生活に影響を与えているようなケースにおいては、以下ステップで対応をすることが重要です。
-
【方針の策定】過去の障害経過の把握と遡及請求の決定
過去から現在に至るまでの障害の経過を総合的に評価し、過去の「障害認定日」の時点にさかのぼって受給権を主張する(遡及請求)ための請求方針を確立する。 -
【過去の証明】客観的記録を用いた当時の診断書の確保
法律上の基準日(障害認定日など)の診断書が既存のカルテ等に残っていない場合、当時作成された他の公的書類(身体障害者手帳の意見書など)の記録を活用し、当時の状態を証明する診断書を医師に依頼・確保する。 -
【申立書の作成】時系列に沿った日常生活・就労困難度の具体化
発症から現在までの経緯を時系列で整理し、単なる病状の羅列にとどまらず、日常生活動作の制限や就労における具体的な支障・困難さを「病歴・就労状況等申立書」に反映させて書面の説得力を高める。
状況が伝わりやすいよう、一緒に整理させていただくケースも多くございますので、ぜひお気兼ねなくご相談ください。
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