うつ病で障害基礎年金2級を遡及請求し、障害認定日までさかのぼって受給が認められたケース
相談者
- 性別:男性
- 年齢層:40代
- 職業:会社員(建設・紙工・製造関係の会社を歴任)
- 家族構成:妻・子ども
- 傷病名:うつ病
- 決定した年金の種類と等級:障害基礎年金2級
- 受給形態:障害認定日による遡及請求
- 受給額:過去分を遡って受給(具体的な金額は非掲載)
相談時の状況

相談者は、建設・紙工関係などの会社で勤務した後、製造業に従事していました。令和2年頃から気分の落ち込みや倦怠感、意欲低下、不眠などの症状が現れるようになり、仕事でも、それまでにはなかったミスが増えていきました。令和2年10月に精神科を受診し、うつ病と診断されて治療が始まりました。
その後も抑うつ状態や不眠、強い倦怠感などが続き、休職と復職を繰り返しました。短時間勤務で復職した時期もありましたが、仕事の負担によって症状が悪化し、継続して働くことが難しくなっていきました。また、症状が重い時期には入院治療も必要となりました。
障害認定日頃にはすでに休職しており、着替えや洗面、食事、入浴などの日常生活にも援助が必要な状態でした。炊事・洗濯・掃除・買い物といった家事は妻の全面的な支援を受けていました。請求時点でも就労できる状態にはなく、外出することも難しく、家事全般について妻の支援を受けて生活していました。退院後はデイケアや訪問看護も利用していました。
ホームページをご覧になったことをきっかけに当事務所へご相談いただきましたが、障害年金の請求に必要となるこれまでの経過について、「過去のつらいことをあまり思い出したくない」と話されていました。
相談から請求までのサポート
障害年金の請求では、発病から現在までの治療経過や就労状況、日常生活上の支障などを「病歴・就労状況等申立書」に整理して記載する必要があります。
しかし、今回の相談者に詳細な過去の出来事を何度も思い出していただくことは、精神的な負担につながる可能性がありました。そこで、ご本人から無理に細かな記憶を聞き出す方法ではなく、受診していた医療機関にカルテの開示を依頼しました。
開示されたカルテから、受診時期、症状の変化、休職や復職、入院歴、治療内容などを時系列に整理し、それをもとに「病歴・就労状況等申立書」を作成しました。初診時と診断書を作成する医療機関が同じであったため、受診状況等証明書を別途取得することなく請求準備を進めることができました。
特に重要になったのが、障害認定日当時と請求時現在の状態を医師に正確に伝えることでした。障害認定日から1年以上経過して障害認定日による請求を行う場合には、原則として障害認定日時点と請求時点、それぞれの状態が分かる診断書が必要になります。年金事務所
そこで当事務所独自のヒアリングシートを使用し、食事、入浴、買い物、外出、家事、対人関係など、日常生活でどの程度の援助を必要としていたのかを具体的に確認しました。その内容を障害認定日と現症日に分けて整理し、診断書を作成する医師に参考資料として提示しました。
単に「うつ症状が重い」という説明だけではなく、「家事は妻の全面的な支援を受けていた」「外出することが難しかった」「就労を継続できない状態だった」など、実際の生活状況が診断書や申立書から伝わるように請求書類全体を整えました。
結果
請求の結果、うつ病により障害基礎年金2級が障害認定日にさかのぼって認定され、過去分についても遡及して受給できることになりました。
障害認定日による請求が認められた場合は、障害認定日の属する月の翌月分から年金の対象となります。ただし、請求時点から5年を超える過去分については時効により受け取れない場合があります。年金事務所
また、相談者は療養期間中に傷病手当金を受給していたため、障害年金との関係についても制度上の取扱いを確認し、分かりやすく説明しました。
過去分の障害年金を受給できることになったことで、相談者からは生活の基盤を整えられるという安心につながったとのお話がありました。今後は経済面の不安を軽減しながら、治療や療養を続けていくことができます。
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